むし歯治療
むし歯には進行状況により5段階の判断目安にわけられ、それぞれ治療方法が異なります。
むし歯の進行度合いによる基本的な自覚症状と治療の流れをご説明します。
※症状によって、治療法は変わることがあります
CO:初期の虫歯
歯の表面に穴はあいておらず、白濁(白っぽくなっている状態)の症状だけです。
この段階では、まだ歯を削る治療はしません。
フッ素塗布の予防処置やキシリトールを使ってエナメル質の再石灰化を促進させます。
C1:エナメル質のむし歯
歯の表面に穴があいていますが、痛みはまだ現れません。
治療方法
むし歯を削って、白いプラスチックのような素材を詰めます。
治療は1回で終わります。
C2:象牙質まで進行したむし歯
象牙質に達するまで穴があいてしまい、冷たい物がしみるようになります。
治療方法
・麻酔をして、むし歯を削ります。
・むし歯を取り除いて穴のあいた部分の歯型や噛み合わせを採ります。
・仮蓋をします。
1回目
1週間ほどで歯科技工士が作製した詰め物が出来上がります。
保険→銀の詰め物 or 自費→白い詰め物、ゴールドの詰め物
2回目
・出来上がった詰め物をはめて、噛み合わせなどの微調整をします。
・接着します。
C3:歯髄まで進行したむし歯
神経にむし歯が達してしまい、温かい物でもしみるようになります。
強い痛み、不快な症状があります。
治療方法
1回目
・麻酔をして、むし歯と神経を取ります。
・神経を取り除いた歯の根管内にお薬を入れます。
・仮蓋をして1週間おきます。
ここから、被せ物の歯ができるまで仮蓋又は仮歯で過ごしていただくことになります。
2回目(~数回)
・仮蓋を外して根管内を洗浄します。
・お薬交換をします。
★参考にご覧ください
根管内から菌が消えるまで繰り返し治療します。
3回目(数回目)
・キレイになった根管内に詰め物をします。
・詰め物の状態を診るためX線撮影をします。
4回目(数回目)
・被せ物の歯を付けるための土台作りをします。 形を整えるため歯を削ります。
・土台を付けるための歯型を採ります。
5回目(数回目)
・土台を付けます。形を整えるため土台を削ります。
・被せ物の歯を作るための歯型を採ります。
6回目(数回目)
・被せ物の歯の、噛み合わせを調節します。
・接着します。
1週間ほどで歯科技工士が作製した被せ物の歯が出来上がます。
保険→銀の被せ物 or 自費→白い被せ物、ゴールドの被せ物
C4:歯冠が崩壊したむし歯
歯の神経が蝕まれ痛みはなくなっています。
見えている歯はほぼ崩壊して歯根だけ残っている場合が多いです。
元の歯の形に戻すのは困難なため、抜歯になる場合がほとんどです。
ラバーダム防湿
~唾液や細菌から歯を隔離した歯の小さな手術室~
ゴムのマスクを金属製のバネで固定します。
海外では、歯の根の治療を専門としている歯科医師の90%以上が使用しています。
日本の専門学会のガイドラインでは、歯の根の治療はラバーダム装着は必須と明記されています。
しかし、日本での使用率は極めて低く5%程度です。そのため、日本での根管治療の成功率は世界ワースト1といわれています。
日本で普及しない理由(問題点)
・手間がかかる
・保険がきかなく無料処置のため、ラバーダム防湿にかかる費用は全額歯科医院が負担しなければならない。
・患者さんによっては苦しく不満となる。
しかし、歯の根の治療後を長期的な予後でみてみると・・・
ラバーダム使用→治療の成功率90%(再治療60%~70%)
ラバーダム未使用→治療の成功率50%以下(再治療は更に成功率が低下)
という結果がでています。
ラバーダム防湿は歯の根の治療を成功へと導く重要な鍵なのです!!
※ラバーダム防湿ができない場合があります。
・鼻で呼吸できない方
・顎の弱い方
・ゴムアレルギーの方